歴史大好き

歴史の一コマをわかりやすく・・とは言え、歴史は書き換えられる可能性があり謎に満ちていることが魅力と思っています。

幕末

大浦慶と坂本龍馬の関係

大浦慶と坂本龍馬

大浦慶と坂本龍馬の関係を整理すると、肝心の接点という点で、亀山社中のころに接触があったものとほぼ推定されます。女性一人で日本茶の貿易を始め、起動に乗せ、実業家とも言える大浦慶の生涯は、一方では詐欺に遭って莫大な借金を背負うという、波乱万丈の一生でした。

大浦慶と坂本龍馬は本当に接点があったか?

女性の茶貿易商として活躍した大浦慶という女性と、坂本龍馬は本当に接点があったのでしょうか?

かつて2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』では、大浦慶(演じたのは余貴美子)が、龍馬にある意味では惹かれ、一方でビジネスとして援助していく様が描かれました。

長崎で龍馬が亀山社中を起こしたのが1865年。さらに龍馬はトーマス・グラバーと接して銃器の取引を開始するわけですが、その龍馬が大浦慶と接していたのは現実的に予想できることです。

「大浦慶さんがどんな人物であったか」というと厳密には確実な資料が乏しいとも言えます。しかし1865年はアメリカで南北戦争が集結したことで、アメリカへの茶の輸出が増加し、大浦慶の手がけた貿易が、全盛したという時期。

そんな大浦慶と坂本龍馬は、松方正義や大隈重信などと同様に親交があったとされています。しかも後述しますが、大浦家の親族の男性が、坂本龍馬の紙焼き写真を保存していたということで、両者の接点はかなりリアリティーをもって考えられます。

大浦慶は倒幕などを意図していたかーー

大浦慶とはどんな人物だったのでしょう。

大浦慶(おおうらけい・1828〜1884年)

大浦慶さんは長崎で油商人の家に生まれました。商家であった大浦家は1843年の火事などで没落してゆきますがこの時、慶は今で言うと15歳前後。翌年の1844年に、慶は幸次郎という人物を婿養子に迎えていますが、何と祝言の翌日にこの「夫」を追い出してその後は独身を貫いたとされます。

慶は10代で一家を背負って立ったわけです。

やがて1853年オランダ人のテキストルに「嬉野茶」を渡したことから、緑茶の貿易を始めるようになります。実際の貿易は1856年に英国のW・J・オールトが来て巨額の注文を受け、アメリカに輸出を始めました。

上記のようにアメリカで南北戦争が終わった1865年から貿易量は増え、輸出が全盛期を迎えることになります。一方で国内では茶の生産地として静岡が台頭し、慶による九州の茶の輸出は次第に勢いを失っていきました。

しかしその後1871年、慶は一種の詐欺事件に巻き込まれ、巨額の借金を背負うことになります。熊本藩士の遠山一也による「遠山事件」と言われるもの。借金をかかえた遠山一也が、オールト商会と煙草の売買契約を結んだ契約書を作成し、慶はその契約に関して遠山による詐欺で、保証人にさせられたのです。

結果として慶は訴えられる立場になり、負債だけで現在なら3億とさらに賠償金をも背負い、波乱の生涯を過ごしました。しかも晩年の1884年、亡くなる直前に茶業振興功労褒賞と賞金を得たという劇的な人生でした。

女性ながら、貿易で大金を得たり、借金を背負ったり波乱万丈でありながら、おそらく世にも稀なパワフルな生涯だったと言えるでしょう。この人がいなかったら明治維新はなかった…とさえ言われると伝わっています。

大浦慶が倒幕などを意図していたかーーというのは難しい点ですが、龍馬のような人物と交流し、松方正義や大隈重信のことも知っていた慶さんが、何らかの思想とまでいかなかったとしても、なんらかの意志を抱いて、あの幕末の時代に生きていたことは確かでしょう。

大浦慶による坂本龍馬の写真(?)

ところで、2009年に、大浦慶の親族の家で保存してきた写真が「龍馬のオリジナル写真の可能性が高い」ことが分かったと報道されました。(2009年、長崎新聞による)

大浦慶の親族、竹谷浩和さんという人物が写真を持っていたことに加えて、当時、坂本龍馬は知人に自分の写真を名刺のように配っていたということから、大浦慶と坂本龍馬の接点は推測だけでなく、かなり信憑性が高いものと考えられました。

この件に関して現在、確認すると「2009年の長崎新聞の記事」は見つからず、その後、当該の写真がどのように確認されたか、真正のものという結論が出たか否かの資料は、じつは確認できていません。

こちらのサイトでは発見された時の写真が掲載されています。
https://shima-syuji.com/2009/11/06/post-218/

正直、その後、写真について否定的な事実も見つかりませんが、はっきりと結論も確認できません・・・というところです。

しかし県が買い上げ、長崎歴史文化博物館で展示されたということなら、龍馬のオリジナルの写真と認められた、ということなのでしょう。

いずれにしても、大浦慶は、若いころに一人で商売を切り開いたばかりでなく、晩年も認められない孤独な苦労を一人で忍んできたようで、逸材の女性であったことが伺えます。

大河ドラマの「龍馬伝」以前にも映画やドラマで大浦慶を演じたのは、竹下景子さん、 松たか子さんなどがいました。龍馬伝の 余貴美子さんもまた嵌っていました。

ちなみに「龍馬伝」のキャストは、坂本龍馬は福山雅治さんですが、語り手の岩崎弥太郎役の香川照之さんも、インパクトの強い役柄でした。芸姑の元(もと)という蒼井優さんの役は、どこまで史実か分かりませんが。人斬り以蔵のページにあるように武市半平太役は大森南朋さんでした。

以上、坂本龍馬と親交があったとされる大浦慶さんという女性について見てきました。

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